虫歯や歯周病、外傷などで歯が無くなった場合、噛めない、思うように会話ができない、見映えが悪いといった不具合があります。
そのような悩みを解決するために、いくつか選択肢がありますのでご紹介します。
インプラント治療
インプラントは歯がなくなってしまった部分に人工の歯を入れる治療方法の一つです。チタンという金属でできたネジを顎の骨に埋め込む事により、人工の根っこを作り出します。人工の根の上に被せ物をくっつけ、見た目や食事も、もともとの歯とほとんど変わらず使用できるようになります。チタンは約3ヶ月〜6ヶ月で骨と直接結合する性質があるため、より自然の歯に近いかみ心地と美しい歯を手に入れられる治療法と言えます。
◯インプラントのメリット
今まで、歯がなくなった時の治療方法としては入れ歯やブリッジがあります。これらの治療方法は、入れ歯は噛み心地が悪かったり、ブリッジにした場合なくなった歯の前後の歯を削り負担をかけてしまいます。インプラントは天然の歯と同じかみ心地の上に、隣の歯などへの負担がありません。
×インプラントのデメリット
保険外治療のため、費用が高額になってしまいます。
医療費控除が適用されます。医療費控除とは所得金額から一定の金額を差し引くもので、控除を受けた金額に応じた所得税が軽減されます。
インプラント治療の流れ
カウンセリング
治療に関してのカウンセリングを行います。カウンセリングを元に治療計画を検討します。
精密検査
骨の強度、大きさなどを正確に把握する為に、CTを使い検査する必要があります。
CTは骨をエックス線により立体的に撮影できる装置です。
一次手術
局部麻酔を行い、インプラントを埋め込みます。入院の必要はなく、車で帰宅することができます。
治癒期間
個人差がありますが2～6ヶ月の治癒期間（安静期間）をおくことで、インプラントと骨が強い力で結合するのを待ちます。
二次手術
歯ぐきを開いて人工の歯を取り付ける支柱を装着します。
人工の歯を作製・装着
全体のかみ合わせを整え、表面の色をチェックしながら最終的な装着歯を被せます。
定期検診、メンテナンス
インプラントを長持ちさせるために、定期的にメンテナンスを行っていきます。
よくあるご質問
インプラント治療には、どのくらいの期間がかかりますか？
完全に治療が完了するまでは、最低でも4ヶ月くらいかかるとお考えください。ただし、他に虫歯が無ければ、4ヵ月に一度から二度程度来ていただくだけですみます。
骨粗しょう症という診断を受けたのですが、インプラント治療は可能ですか？
現在技術が進んでおり多くの場合解決できますが、正確には検査をしてからの判断となります。
インプラントを使用できる年数は、どのくらいでしょうか？
定期検診などでケアができていれば数十年持つ事は証明されています。
インプラントの手術は痛くないですか？
麻酔をかけて行いますので痛みはありません。個人差はありますが、治療後も腫れや痛みが出ることは少ないです。
インプラントを骨に入れることで何か体に影響はありますか？
チタンの性質は腐食せず、体になじみ拒絶反応を起こしにくいものです。体に悪い影響はありません。
ブリッジによる治療
欠損したところの両隣の歯を土台として使用するために大きく削ります。型どりをして完成した連続したかぶせものを歯と歯を橋渡しするようにセットします。材料は保険適応の金属製のものから適応外のものもございます。
◯メリット
- ・取り外しはできない
- ・比較的短期間の治療
- ・保険適応内であれば治療費が比較的安価
- ・噛む感触が自分の歯と近い
×デメリット
- ・両隣の歯をたくさん削るので削った歯に負担がかかり虫歯や歯周病にもなりやすい。
- ・健康な歯を削らなくてはいけない場合もある。
- ・残っている歯の本数が少ないとブリッジが出来ないこともある。
義歯(入れ歯)による治療
欠損したところの、隣の歯や残っている歯にフックをかけて使う着脱式の入れ歯です。入れ歯のフックやバネを掛けるところが必要なため隣の歯や他の歯を少し削ります。型どりやかみ合わせの確認などを行い作成します。
◯メリット
- ・保険適応内の義歯は比較的安価
×デメリット
- ・取り外しやお手入れに手間がかかる
- ・噛む力が弱い
- ・粘り気のあるものはくっついて食べにくい
- ・フックをかけた歯に負担がかかり虫歯や歯周病になりやすい
どの治療に関しても、患者さんそれぞれ一人ひとりが感じるメリット、デメリットがあると思います。
治療方法を選択するときにもしお悩みのことがありましたらお気軽にご相談ください。